2011年9月17日土曜日

学校怪談

高橋葉介『学校怪談』全巻そろえられたことも嬉しいけど、やっぱり本や漫画は読んでこそ。ついに『学校怪談』も読破!最近はすっかり高橋ワールドにハマってるんだけど、これは面白かった。最初は『KUROKO』でハマったんだけど、こっちのほうが好きかな。あっちは・・あっさりしすぎのような、まああのくらいの塩梅のような、びみょ〜〜〜うな加減で面白かったけど、ラストがどうしても少し、拍子抜け。ちょっとびっくりな終わり方でもあったし。

というわけで・・1番恐怖な1巻から〜やはり最終回って感動するもんだね、なラスト15巻まで!




物語の始まり(短編連作ではあるが)である第1巻。

「もしも下駄箱のなかに行方不明の友達がいたら!?」

『学校怪談』というタイトル通りの、学校にまつわる怖い話が18編収録されていて、主人公である山岸の存在は既に1巻にして光っている。ちなみに山岸君、1巻では4回死んで、4回人殺しをしている(うち1回は大量虐殺)。な・・なんか、壮絶。ただ怖いだけじゃなく、恐怖の中にもユーモアがある、という高橋スタイルは当然、既にこの巻でも見られる。

山岸君の女難の相は思えば1巻にして既に出ていたんですね。




相変わらず、危ない目に遭う山岸君。やっぱりこの巻でも何度か死んでます(スイカにスイカ割りされてしまったり)。そんな災難続きな2巻だけど、悪いことばかりでもなさそう。人魚との微笑ましい出会いなんていうのもあったり。ヒロインの一人、立石さんや玉川君(?)も出てきます。








1、2巻の頃のミステリアスな雰囲気も少しずつ溶けて、体当たりな役が増えてきた山岸君。でも、この頃の方が、後の彼よりたくましかったような・・。門番や下駄箱前の悪魔、雪女など、どこか憎めない存在も多く登場する3巻。




「ダンス」「黒子さん」と、ちょっぴり切なくて、なんだか微笑ましくもなれるエピソードがちらほら、第4巻。特に「黒子さん」は秀逸。黒子さんのがっかりしたような、悲しい顔はなんだか本当に悲しそうで、こっちまで悲しくなっちゃうのだ。




「ハッキリ言って、第5巻はシリーズ最強です。」

と作者も言い切る通り、過去最高の盛り上がりを見せるシリーズ第5巻。有名なアノ話をモチーフにした「乙姫」、過去と未来が交錯する穴と山岸君の「行水」、化かし合いの勝負の行方は?「きつね」、その手で触れたものはみんな・・・「毒娘」等々、傑作揃い!

短編連載という体はこの巻まで、6巻からは新章突入というか、新シリーズスタートというか・・なので、この巻だけ読むというのもできる最後の巻。しかもシリーズ最強の巻とくれば、この巻だけ買っても損はなし!




「言っとくがあたしは魔女だ」

「嘘もごまかしも通用しないからそう思え」

魔女先生こと、九段九鬼子さっそうと登場! 思えば、表紙(と主役)は今までずっと山岸君が張ってたんだね。この巻から九段先生が表紙のセンターに来ちゃったよ。

塚原護郎ちゃん、佐々木奈々子さんの相思相愛コンビ初登場「守護神」、玉川三樹夫君のマニアぶりが発揮される「宇宙からのメッセージ」、ごろうちゃん、ななこさんコンビの活躍を描いた「二人芝居」「奈々子SOS」、父と娘の絆を描いた傑作「父帰る」など、5巻に負けず劣らずな強力エピソードが多数収録され、ますます盛り上がる第6巻。立石さんの過去もちょっぴり垣間見えちゃったり・・それにしてもかわいそうな役回りだなぁ。

「通り魔」で使われたリプレイっていうアイデアは、2000年に公開された映画『Memento』だね。でも97年のこっちが先か。




「そんな怪物なんかいないと思ってもどうしても想像を止められない」
「…君はそんな子供だったんじゃないのかい?」

「どうして…わかるの?」

「でもいるんだよ」
「怪物はいるんだ」

「人が心の中で思った時に怪物は生まれるのさ」

父への思いを描いた傑作「父の影」は必見! 謎の美少女(/少年) 峠美勒の登場でますます盛り上がる第7巻。果たして、彼女/彼の正体とは!?

九段先生の強さ、弱さ、お茶目っぷり、悪趣味・・などなどが次々に明らかに!




九段先生の過去、峠美勒の正体、そして、その時、九段先生の前に現れたのは!?

トラブル・メーカー、神宮寺八千華、大胆に登場の第8巻! 山岸君、見事に振り回されまくってます。臨海学校シリーズでは1コマ目で九段先生が主役っぷりをアピールしまくり。給料日前のカップ麺を食べる先生のとほほ顔、一人でご飯を食べた涙顔、大人になってたくましくなった今の笑顔などなど、九段先生の色んな表情が楽しめる巻でもある。




冒頭から面白エピソード「モンスター・ダンク」で飛ばす第9巻。

九段先生の天敵、溝呂木が登場、物語を引っ掻きまわしまくります!

「訪れたカップルは必ず別れるとかいう」胃ノ頭公園を舞台にした、ちょっとずつ繋がってる連作「おいてけ森」「人形の森」「水の中の顔」「此処じゃない何処かへ」は見物。八千華の猫耳風ヘアーも確立され、立石さんと八千華の友情・恋敵・天敵っぷりもちらほら。学校ものとしての魅力が炸裂しまくり!





なんか、特筆することがないような・・。あれだけ、難敵だった美勒も、こうやって味方だとこうも頼もしいものなんですね。いや、相変わらず面白エピソード満載の10巻なんだけど・・。まあ、普通っていうか(笑)。








「立石何かに追われて走るな」
「何かに向かって走れ」

「ゴールは自分で決めるんだ」

少年漫画な第11巻。

「今はもう 一人じゃないだろ」

笑顔の美勒、先生を助けにきた山岸たち教え子のみんな。

少年漫画な第11巻。

泣けて、笑えて、ちょっぴり怖い話が満載。




マンイーター登場の第12巻。「殺人連想」では、扉で久しぶりにダークな山岸君が見られます。それにしても山岸君、めきめき力を付けて行くなあ。










立石さんってヒロインなんだよなあ、ということを思い出させてくれる、立石さんが見所な第13巻。

九段先生、またひとつ過去の因縁と決着が。ラストへ向けて、この時から一気に加速し始めたようにも思える。




「ゴースト・フライト」で魅せる九段先生の力は、さすがの一言。「殺意の弾道」では山岸君も魅せる! 時間を視て、意識を操る。かっこいいぞ、山岸! 「魔少年」では山岸君にライバル出現! と言っても、溝呂木とは違って、こっちはマジだ。でも山岸君はとっても強いんだぞ! お前なんかに負けるもんか!

「君の夢を聞かせて」は感動必至! 再び、山岸君の前に現れた魔少年。立石さんの体を乗っ取られ、今度ばかりは山岸君もやばいか!? その時、九段先生は・・。まるで、ネ○まの修学旅行編のあのシーンとか、魔法世界編のあのシーンのような光景が(笑)。

立石さんも山岸君もすっかり強くなって、しかも二人の中も急展開中!?!?

ラストまでもうわずか、な第14巻。




いよいよ、ラストへ向けて、一気に進む第15巻!

なんだかんだですっかり仲良くなった八千華と立石さん。餓鬼をぺろりと食べちゃった九段先生。そういえば自分のこと、魔女って言ってたもんね。

十八歳の九段先生シリーズでは、あの家系が! 山岸君、もしかしたら結局、最強の力を持ってたんじゃ・・。主役らしく、かっこいいところを魅せてくれてます。

自分の過去の因縁とも完全に(?)決着つける九段先生。かわいかったり、おどけてたり、とほほな感じだったりする先生だけど、やっぱり(自称)魔女だけあって、真剣な時はとても冷徹。

最終話に行く前に決着をつけなきゃいけない人がもうひとり。「ラスト・バトル」で、三たび魔少年に戦いを挑まれた山岸君。山岸君を甘ちゃんだと言う魔少年。勝負の行方は!? そういえば山岸君、5巻までに、たくさん殺しをやってきたもんなあ。もともとダーク・ヒーローなところあったもんね。最後に頼りたくなったのは、九段先生? 八千華? 立石さん?

最終話「206便消滅す」では、まさかのあの人がラスボスに!

九段先生の将来は! 山岸は! 立石さんは! 八千華は! 感動のエピローグを含む最終巻、ここに堂々の完結!





・・・ちなみに、山岸君はその後どうしたのでしょうか。



山岸君のその後が描かれた「家庭訪問」は『悪夢交渉人』に収録されています。立派になったなあ・・(涙)。


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